カラフルで活気溢れる色使いに,不思議で意味深な幾何学模様を組み合わせたアイコンのデザインを解説します.同心円が8つも必要でややこしく,補助線をスナップさせる箇所も複雑ですが,完成形はその手間をかけるに値する仕上がりです.今回の動画は,すみながめにしては長めの,23分長です.

「複合パス」が何であるのかを説明するのは少し難しいですが,公式のチュートリアルの説明を引用するなら次のようになります.

Inkscape はパスを結合して複合パスにすることができます。フィルが設定され、重なっているパスを結合すると、通常、重なっている部分のフィルが消えます。これは、穴のあるオブジェクトを作る最も簡単な方法です。

最も大雑把に説明するなら,こんな感じでしょうか:

輪郭が1本のオブジェクト パス (複合パスでない)
輪郭が2本のオブジェクト 複合パス

例えば長方形や円や三角形のように,輪郭が1本の線だけの図形 (どの図形も,輪郭は外周の線1本のみです) は複合パスではありません.一方で,ドーナツのように穴が空いていたり (外周の輪郭と穴自体の輪郭で2本ある) ,「〓」のように飛び地がある図形 (上の長方形の輪郭と下の長方形の輪郭と,合わせて2本ある) ような場合,これらは複合パスで構成されていると言えます.初心者にとっては却って分かりにくいですね…

Inkscapeに慣れてくると,「複合パス」の機能は当たり前に使いこなせるようになります.そのため,この機能にわざわざ「複合パス」と名前が付いていることすら大袈裟に感じるかもしれません.

ただし,意識しなくても複合パスが「パスの複合である」という認識を持つことは役に立ちます.動画の中では紹介していませんが,例えばドーナツ型 (中心に穴の空いた丸) のパスがあったとき,「パス > 分解 (Shift+Ctrl+K) 」を使うことで,外周の円と,もともと穴だった円を切り分けて扱うことが出来ます.

分解.png

例えばフォントの穴を塗りつぶすようなデザインも,フォントが「複合パス」で構成されていることを考えると,とてもに簡単に実行することができます.塗りつぶすだけなら複合パスの分解を実行しなくても簡単ですが,とある図形の「隙間の形そのもの」が欲しいときなどに,この機能を知らないと不要な苦労をしてしまうかもしれません.

あ.png

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