Inkscapeで大雑把に円グラフを作成します.事前準備として,Sawasdeeという無償のフォントをインストールしておいてください.個性的で明瞭な数字フォントを含む,とても綺麗なフォントです.

今回のチュートリアルで特筆すべきテクニックは次の3つでしょうか.

  1. ものさしツールを使用します.ものさしツールはノード間の長さや角度などを計測するためのツールです.このチュートリアルのように,様々な部品の長さをきっかり数値で決めてイラストを作成するような場合にはたいへん役に立つツールです.
  2. 「Ctrlキーを押したまま操作する」というのはInkscapeでイラストを書く際に必須になる基本的なテクニックです.今回のチュートリアルでは「Ctrlを押したままカーソルをドラッグして,円ツールで正円を描く」という操作を行います.
  3. 目立ったテクニックではありませんが,正方形型にプラスマークを作成して円の中心を割り出すテクニックも様々な場面で役立ちます.円を描いたあとで,その中心を使って正確に配置したいときなどでこのテクニックは役に立ちます.少し面倒な作業が要りますが,慣れてしまえばパパっと中心を割り出せるでしょう.

ところで,2017年5月28日現在の最新版であるInkscape 0.92.1には,標準でグラフを作成する機能がありません.いつの時点の記述なのかが少し不明確ですが,おそらくver. 0.46の時代でもこのように言われています.

Adobe Illustrator には洒落たグラフ作成機能がついていて、結構便利であった。Inkscape は如何にと見るに、どうも何もない。

上記のブログではInkscapeの拡張機能を利用して,Pythonでチャート作成のエクステンションを作成しています.説明を読むと非常に機能的で,作者曰く簡素な作りだそうですが,使えばグラフ作成においてとても役立ちそうなエクステンションのように見えます.

おまけ

ブログの説明によれば,「chart.inx」と「chart.py」を所定のディレクトリに保存することでこのエクステンションを使用できますと書いてあります.すみながめが確認したところ,chart.inxのファイルを確認することができましたが,chart.pyを確認することができませんでした.

chart.inxの中身は以下のようになっています.

<inkscape-extension>
    <_name>Chart</_name>
    <id>barchart.kabipan.com</id>
	<dependency type="executable" location="extensions">chart.py</dependency>
	<dependency type="executable" location="extensions">inkex.py</dependency>
	<dependency type="executable" location="extensions">simplestyle.py</dependency>
    <effect>
		<object-type>text</object-type>
                <effects-menu>
                        <submenu _name="Render"/>
                </effects-menu>
    </effect>
    
        chart.py
    
</inkscape-extension>
【出典】 chart.inx

chart.pyが見当たらない原因が,所有者が失くしてしまったからなのか,ただのサーバのエラーに過ぎないのか分かりません.しかしこういった「便利なツールを不特定多数の人が開発して公開していく」という姿は,オープンソースのソフトウェアならではの強みかもしれません.

今回のチュートリアルで作成した円グラフは目分量で作成されたため,それほど正確なものではありません.正確な円グラフを作成したい場合は,上に説明したようなツール (上記のツールは本体が行方不明ですが,使えるツールは探せば他に公開されているものがあるかもしれません) や Libre Office Calc などのツールを使用して,きちんとしたデータから円グラフを作成すると良いでしょう.

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