Inkscapeのエクステンションには興味深い機能がたくさん搭載されていますが,中でも興味深いものの1つに「アルファベットスープ」があります.これを使用すると不思議な文字のようなデザインを簡単にデザインすることができます.今回はこのアルファベットスープの機能を使用して,エキゾチックな本のデザインを行っていきます.

アルファベットスープの機能へのアクセスは,メニューの深い場所にあるために少しややこしいです.「エクステンション」>「レンダリング」>「アルファベットスープ」の順に辿って機能を使用します.Inkscape ver. 0.92.2では,アルファベットスープの機能を呼び出すと,次のようなダイアログが表示されます.

アルファベット

上から順に機能を説明します.

テキスト

入力したい文字列を入力します.アルファベットと数字のみ入力可能です.後に説明する「ランダム化」のチェックを外している場合,ここに入力された文字列に似た文字 (たいていは読み取れる範囲で変形された文字) が出力されます.

尺度

出力される文字の大きさを変更します.文字の大きさを変更するに伴って,文字の改変の様子も変わるため,気に入る形の文字が出力されるまで「尺度」をいじると良いでしょう.

ランダム化

ランダム化にチェックを入れないと,出力される文字が「テキスト」で入力された文字 (に似た文字) となります.ランダム化にチェックを入れると,強い改変が文字に対して施され,「テキスト」で入力した文字として認識できないほど変形された文字が出力されます.

試しに「テキスト」に「Suminagame」と入力し,尺度を 2.9 / 3.0 / 3.1 ,ランダム化を 入 / 切 した計6パターンの出力を見てみましょう.

アルファベットスープテスト

ランダム化にチェックを入れた方 (左の列) はもはや何と書いてあるのか読めないくらいに文字が変形されているのに対して,ランダム化にチェックを入れなかった方 (右の列) では元々「Suminagame」と入力した形跡が見て取れます.Inkscapeに搭載されたアルファベットスープという機能は,このように文字を不思議な形状に変形する機能なのです.


テザインの中で文字が占める役割は決して小さくありません.例えばロゴデザインでは.シンボルの横に配置されるロゴそのものがデザインの全体の印象に大きく影響しますし,そもそもシンボル自体が企業名のイニシャルの文字をデザインのモチーフになっているケースも少なくないです.また文字そのものをグラフィカルにデザインしたタイポグラフィというアートの領域もとても奥深いものです.

その中で,簡単にエキゾチックな異国風文字デザインを簡単に出力してくれるアルファベットスープの機能はデザインの発想を刺激してくれる便利な機能だと言えるでしょう.

Inkscape0922

最後に,注意したいのは,2017年現在,ウェブでInkscapeのアルファベットスープの機能についてぐぐると,Inkscapeの情報発信源として有力なInkscape@JPのページがヒットします.しかしその説明は,2017年10月8日現在で,2013年から更新がなされていません (あえてリンクを貼りません).そのため情報が少し古いものになっているので気を付けてください.2017年10月現在でInkscapeの最新バージョンはver. 0.92.2です.

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