シンプル!和洋折衷な羅針盤のイラスト #047

今回のチュートリアルでは,和洋折衷な印象の羅針盤のイラストを作成します.この記事では,動画チュートリアルの中でも使われているInkscapeの基本機能の1つ,バケツツールについて解説していきます.​

羅針盤のイラストを描いてみよう

バケツツールは周囲を囲まれた領域を所定の色で塗りつぶすためのツールです.具体的に「塗りつぶす」とは,所定の領域と同じサイズ・形の新しいオブジェクトを生成し,そのフィルとストロークで領域の色を表現しています.

塗りつぶしは新しいオブジェクトになる

基本的にはこれがバケツツールのすべてです.この挙動をより細かく管理するために,バケツツールには4つのパラメータ (設定項目) があります.それぞれ見ていきましょう.

  1. 塗り色
  2. しきい値
  3. 拡散量
  4. 隙間の閉じ
4つのオプションを確認しよう

塗り色

塗り色オプションは選択式です.次の8つから1つを選ぶことになります.

  • 表示色
  • 色相
  • 彩度
  • 明度
  • アルファ
「表示色」8つのオプション

8つの中から選択された要素を基準にして塗りつぶし範囲を決定します.例えば塗り色に赤を選択した場合,塗りつぶし範囲を決めるのは色の赤チャンネルのみになります.そのため,見た目には異なる色が並んでいても,赤チャンネルが同じであれば境界がないと判定され,1つの塗りつぶしが作成されます.

境界の判定基準

しきい値

しきい値とは,「クリックしたピクセル」からどれほど異なっていれば別の領域とみなし,塗りつぶしに含めないのかを判定するための基準です.

しきい値を大きくすれば,塗りつぶしは広がる

大きい値を設定するほど「同じ」と見なす判定は広がり,より広い範囲に塗りつぶしが適用されやすくなります (最大値は100).反対に,0に設定すれば厳密に同じ色の範囲にのみ塗りつぶしが作成されます.

拡散量

上記の2つの設定,「塗り色」と「しきい値」で塗りつぶしを行う範囲を規定しましたが,「拡散量」というパラメータを使ってその範囲をインセット/アウトセットすることができます.

「拡散」塗りつぶしのインセット/アウトセットを設定

拡散量を0にするとインセットもアウトセットもせず,前述の2つのパラメータで設定された範囲を塗りつぶします.拡散量をマイナスの値に設定すると塗りつぶし範囲のインセットを行い,設定された量だけ塗りつぶし範囲を狭めることができます.拡散量にプラスの値を設定すれば塗りつぶし範囲はアウトセットされ,前述の2つのパラメータで設定した範囲より広げて塗りつぶすことが出来ます.

拡散量の単位は直感的で,ミリメートルやポイント,ピクセルなど,通常のInkscapeで使われるサイズの単位を使用できます.

隙間の閉じ

隙間の閉じの項目には4つの選択肢があります.

  • なし

塗りつぶそうとする領域が完全に閉じていないときでも,この設定を使えば正しく塗り潰すことができます.

ある程度の大きさの隙間を閉じてくれる

「なし」を選ぶと,バケツツールが隙間を閉じることはありません.したがって少しでも開いている箇所があれば,塗りつぶしはそこからはみ出して広がります.

少しくらいの隙間を閉じてほしければ,「なし」以外の3つのオプションを選択します.どの程度の大きさの隙間まで閉じてくれるのかについては,下のリストを参考にしてください.

  • 小: 画面サイズで2 pxまでの隙間を閉じる
  • 中: 画面サイズで4 pxまでの隙間を閉じる
  • 大: 画面サイズで6 pxまでの隙間を閉じる

画面表示の大きさが判定基準であることに気をつけましょう.下の画像では,実際の隙間のサイズが0.35 pxなので隙間は閉じられてしまいそうですが,表示サイズが大きかったために隙間を閉じずに塗りつぶしが行われています.

隙間の実際のサイズは0.35px

今回の記事ではInkscapeのバケツツールについて詳しく説明しました.設定小目は4つあり,これによって細やかな使いこなしが可能な面白いツールです.記事中の例では単純な長方形の塗りつぶしばかりやっていますが,手描きイラストの塗りつぶしなどでも活躍しそうな機能ですね.

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