星を円に内接させて描くイラスト #028

これまでにもすみながめの動画では,Inkscapeのタイルクローン機能を使用してデザインの作成を行ってきました (#08#14#23#24 をご参照ください!).タイルクローンの使い方は多岐に及ぶため,その全てを網羅した汎用的な説明を読んでも分かりにくくなりがちです.この記事では動画内で紹介したような「簡単に放射状の線を引く方法」として,Inkscapeのタイルクローンの使い方を説明します.

タイルクローンの機能を使用して放射状の線を作成する手順を5段階に分けて説明していきます.成果物は下の画像のようなものです.

03.png
タイルクローンで放射状の線を!

1 タイルクローン機能の呼び出し

タイルクローンのメニューは,メニューバーの「編集 > クローン > タイクローンを作成」の場所にあります.

機能はここに

タイルクローンの作成を選択すると,各種項目を設定するパネルが表示されます.

こんなダイアログ

中には7つの項目があります.今回使用するのは下に★印を付けた2箇所だけです. 解説で触れない設定項目は初期値のまま使用することにしていますが,入力が初期値から変更されている場合は元に戻しておいてくださいね.

  1. 対象化
  2. シフト ★
  3. 拡大縮小
  4. 回転 ★
  5. ぼかしと不透明度
  6. トレース

2 シフトの設定

「シフト」を設定するタブで,列ごとの水平シフトを設定します.ここでは -100% を入力します.これは,選択されたオブジェクトのクローンをタイル状に並べていくときに,右隣の列を作成する位置を -100% だけシフト (ずらす) ということを意味しています.

数値入力欄が8つあります

負号が登場してややこしいですが,要は「右隣の列を現在地と同じ位置に作る」ということです.本当は右隣に作られるはずの列を,-1列分だけ左に戻した位置に作成するので,差し引きゼロとなって元と同じ場所に次の列のクローンが配置されるのです.

3 回転の設定

「回転」を設定するタブで,列ごとの回転角度を設定します.この設定は,元のオブジェクトを何度か回転させて隣の列のクローンを作成させたいときに使用される設定です.今回は 10° を設定します.

10度 回転させよう

4 クローン数を指定

パネル下部の「Apply to tiled clones:」を設定します.指定方法は「行,列」と「幅,高さ」の2通りあります.今回は「行,列」の指定で,1 x 18 (1行18列) と入力します.

行と列を指定

18列を10°ずつ回転させながら同じ場所にクローンを作成するため,結果的に180°にわたってクローンが作成されます.棒は1本で2方向に伸びるので,360°に放射状の線が作成されるのです.

5 クローン作成を実行

最後にパネル最下部の「作成」ボタンを押します.結果はこのようなものです.

03.png
正しく出来ましたか?

タイルクローンの作成では,設定項目が多く覚えることが多いです.しかし一度全体的な機能の概観を理解してしまえば,デザインの自由度が格段に向上することは間違いありません.少しずつ慣れていくことで,タイルクローン機能に習熟していきましょう.

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