Inkscapeの面白い機能の1つに「ワイヤーフレーム球体」があります.今回のチュートリアルではこの「ワイヤーフレーム球体」の機能の平面的な出力を使用していますが,立体的な球を描くためにはInkscapeに無くてはならない機能です.以下ではワイヤーフレーム球体の使い方を説明しましょう.

ワイヤーフレーム球体の機能はメニューバーの「エクステンション」>「レンダリング」の中にあります.

ワイヤー01

ここを選択すると,ワイヤーフレーム球体を描画するための設定項目を指定するダイアログが表示されます.表示されるダイアログは下のような見た目です.5個の数値入力箇所と,2つのスイッチがあります.それぞれの役割を以下で見ていきましょう.

ワイヤー02

Inkscapeの解説で有名な Inkscape@JP の記述を引用しながら進めます.

項目 意味 範囲
緯度線の数 同緯度の線 (東西の線) を何本書くかを指定 0 – 1000
経度線の数 同経度の線 (南北の線) を何本書くかを指定 0 – 1000 の偶数
傾斜 (度) 球体を手前向きに垂直から何度傾けるかを指定 0.0 – 360.0
回転 (度) 上から見たとき時計回りに何度回転させるかを指定 0 – 360
半径 (px) 球体の半径を指定 1.0 – 1000.0
球体の裏側を隠す チェックを入れると裏側になった部分の線を描画しない
ライブプレビュー チェックを入れると,現在の入力値を反映して描画を更新して表示する

どれも大変基本的な設定値であることが見て分かると思います.以下の2項目に注意しましょう.

  1. 「経度線の数」に奇数を指定することはできません.経度線は必ず球体の北極と南極を通る線ですから,必然的に偶数本の線が引かれることになります.ライブプレビューを有効にした状態で「経度線の数」に奇数を指定すると,下のようなエラーダイアログが表示されます.
    ワイヤー03
  2. 「傾斜」を設定しても,球体は手前向きにしか傾きません.球体ですから90度以上の傾きを指定しても,実質的には90度以下の傾きで同じものを表現できることが解ると思います.また,「回転」を組み合わせて指定しても,やはり「傾斜」によって手前以外に傾けることができないことには注意が必要です.

ワイヤー04

今回のチュートリアルでは立体感のないワイヤーフレーム球体を作成して,デザインの中で使用しました.しかしこの機能で出力されるワイヤーフレーム球体をデザインの下書きとして上手に応用することで,緻密でデッサンに狂いのない球状の立体的なデザインを作成することもできます.機能の特徴をよく理解すれば,デザインの幅が広がる素晴らしいツールです.

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