Inkscapeを使えば,画像の透過を簡単に扱うことができます.透過のあるオブジェクトを使用することで,透明な重なりを表現できます.しかしInkscapeのスポイトツールはオブジェクトの透過まで反映した色を取得することができるため,透過オブジェクト同士の重なりの色を取得しようと思うと,ひと工夫が必要になります.この記事はそうしたティップスの紹介です.

この記事は不透明オブジェクトの重なりの中で,混ざった色をスポイトツールで取得する方法について解説していきます.そもそも「色が透過している」とはどういうことののかを整理するための画像を作成しました.

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上の画像は透過を説明するための参考画像です.背景の市松模様 (格子状の模様) はオブジェクトが透過していることを分かりやすく表示するためのものです.不透過の円は内側が塗りつぶされていて,背景の市松模様が見えていません.一方で透過の円は内側が塗りつぶされているにも関わらず,背景の市松模様が見えています.これはこの円が透過されているからです.

この動画チュートリアルでは投下したオブジェクトを重ねて,色を混ぜるということをしています.しかし単純に半透明のオブジェクト同士を重ね他場所の色をスポイトツールで取得すると,想像外のことが起こるかもしれません.

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上の画像は不透明度53%の青と,不透明度52%の赤を重ねた図です.これらの交差部分からスポイトツールで色を取得すると,不透明度78%の赤紫が取得されます.もちろんこの色は不透明度が100%ではないので,背景の市松模様が透けて見えているのが分かると思います.

透明度のある2つの色の交差部分の色を,不透明度を反映せずに取得したい場合は,上の方法に少しだけ工夫を加えます.下の図のように,背景に完全不透明な白の矩形を敷くのです.

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これをすることで,不透明度のない完全不透明な (つまりα=100%の) 色をスポイトツールで取得することができます.この方法は少し分かりにくいため自分で見出すのには少し時間が要るかもしれません.

スポイトツールは大変使いやすいツールですが,透過の取扱いが少し直感的ではありません.このツールを簡単に使いこなすために,今回紹介したティップスを覚えておいてください.

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