簡単!メタル文字のロゴ作成! #057
メタリックな文字を作成するテクニックは色々な場面で役に立ちます.ブログのアイキャッチ画像や,広告に描く商品名や,YouTube 動画のサムネイルなどです.金属の質感を Inkscpae で作るにはちょっとしたコツが必要ですが,そのコツさえ掴んでしまえば量産することは簡単です!この動画ではそのコツを紹介しています.
物体を分類しよう
金属は独特の光沢を持っていて,例えばプラスチックや陶器や布などとは違った見え方をしますよね.この記事ではそれがなぜなのかを2つの理由を挙げて説明してみましょう.物が目に見える時,光源から出た光が物の表面で反射して目に届いているわけですが,金属とそれ以外では光の反射の仕方に違いがあるのです.「金属とそれ以外」と書きましたが,後者をより正確に指すために以下では「誘電体」という言葉を使いましょう.

Wikipedia によれば誘電体とはこのようなものです.
誘電体(ゆうでんたい、英: dielectric)とは、導電性よりも誘電性が優位な物質である。広いバンドギャップを有し、直流電圧に対しては電気を通さない絶縁体としてふるまう。身近に見られる誘電体の例として、多くのプラスチック、セラミックス、雲母(マイカ)、油などがある。
誘電体 – Wikipedia
初州が Blender を勉強するときに参照する YouTube チャンネル Blender Guru のある動画では,あらゆる物体は「誘電体」か「金属」のどちらかに属し,布や陶器やプラスチックや塗装など,世の中の90%ほどの物体は誘電体であると説明されています.
金属では起きない「拡散反射」
Blender Guru の動画では,誘電体は光を「拡散反射」すると説明されています.そしてこれが誘電体と金属との1つ目の違いです.「拡散反射」とは,一部の光を反射しながら,残りの光を透過屈折させたり散乱させたりする光の反射で,これは誘電体の表面で起こります.

そして金属の表面も,光が当たるとその一部を反射します.しかし違っているのは,反射されなかった残りの光を透過屈折させた後,金属はそれを吸収してしまうことです.そのため金属の表面では「拡散反射」が発生せず,鏡のように光を鏡面反射させるのです.そしてこれが誘電体と金属の見た目の違いになるわけです.
金属の反射光にだけ色がつく
もう1つ,誘電体と金属の重要な違いがあります.金属で反射された光には,その金属固有の色がつくのです.誘電体の表面で反射された光には色がつきませんが,金が反射すれば黄色の,銀河反射すれば白の,銅が反射すれば赤の,それぞれの色が付いた光が反射されるのです.

物理学を学んだことのある人なら,「光は電磁波の一種である」と言えばピンとくるでしょう.金属は電気を通す物体なので,電磁波との相互作用が誘電体とは異なっているのです.これが金属と誘電体で,光の反射の仕方が異なる理由であり,見た目が違って見える2つ目の理由なのです.