基本操作: 変形➔回転を利用したシンプルロゴ作成 #056
思い通りのイラストを簡単に効率的に描くために,Inkscape の基本操作を覚えることはとても役に立ちます.今回のチュートリアルでは Inkscapeの機能の1つ「変形」のダイアログの使い方について,深く掘り下げて見ていきましょう.
「変形 (M)」ダイアログ
Inksapeの「変形」機能は次のように呼び出すことができます.
- ナビゲーションメニューの
オブジェクト
>変形
- ショートカットキー
Ctrl + Shift + M
ナビゲーションメニューから呼び出すのが簡単ですが,Inkscapeでの操作に慣れてきたらショートカットキーに挑戦してみるのもいいでしょう.初州はショートカットキーを頻繁に使用していますよ.初めのうちは覚えられませんが,使っていく内に身についているものです.
変形のダイアログには5つの異なる機能が集合しています.今回のチュートリアルではこれらのうち「回転」を使用しましたね.
- 移動
- 拡大縮小
- 回転
- 傾斜
- 変形行列

「回転」の使い方
「回転」の使い方はとてもシンプルです.その名の通り「回転」は,選択されたオブジェクトを指定した角度回転させるための機能で,回転角度と回転方向を入力して実行します.もう1つある設定項目を含めて,この記事では次回転の機能を3つに分けて説明します,

1 角度
回転の角度は度でもラジアンでも入力することができますが,度が使いやすいでしょう.ほかに2つの指定方法を加えて4つの角度の指定方法があるので,ここに一覧を掲載しましょう.4つもありますが,繰り返しますが,通常は「度」を使えば十分です.
名前 | 意味 |
---|---|
° (度) | 度 |
rad | ラジアン |
turn | 回転数.例えば 0.5回転 = 180°回転 |
grad | グラード. 90° = 100 grad となる |
2 方向
回転する方向を,時計回りにするか半時計回りにするのかを選ぶことができます.アイコンで時計回りの回転か,半時計回りの回転かを選択することができるので,とても分かりやすいUI構成になっています.

実際に両方の方向に回転してみたGIFアニメを掲載します.

3 各オブジェクトに個別に適用
回転ダイアログの下部にあるチェックボックスの機能も重要です.このチェックボックスは,回転の実行時に複数のオブジェクトを選択していると意味があります.選択されたオブジェクトをそれぞれ回転させるのか,選択されたオブジェクトの全体を回転させるのかを決めるのです.これは見てもらうのが早いでしょう.

上のアニメーションでは,複数のパーツで構成されている顔のイラストを開店しています.最初は「各オブジェクトに個別に適用」のチェックを外しているので,全体がまとまったまま回転しています.一方,チェックボックスにチェックを入れると,顔の部品それぞれがその場で回転していますね.
上記の例では顔がバラバラになるのは好ましくないためチェックを外しておくのが良いでしょう.一方,それぞれの部品がそれぞれに回転して欲しい場面もきっとありますから,その時はチェックを入れて回転させるようにしましょうね!

まとめ
変形ダイアログにある回転の機能を使いこなすことで,イラスト制作やロゴ制作が簡単になります.始めから回転した絵を描くよりも,真っ直ぐに書いた絵をあとで回すほうが簡単ですからね.

チュートリアルの中では真ん丸を回転させたのであまり見た目に分かりやすくなかったかも知れませんが,この記事で解説した「回転」の機能を始め,変形のダイアログにある他の機能も試して使いこなせるようになってみてくださいね.