記念すべき第一回はInkscapeを使った日本語タイポグラフィのやり方の解説です.日本語のタイポグラフィは,アルファベットによるタイポグラフィと比べて3つの理由で進んでいないように思います.

  1. 文字数が多すぎる.
    日本語はひらがなが48字(「ゐ」と「ゑ」を含む),カタカナ48字,アルファベットとアラビア数字も使うけど,その他に圧倒的な数の漢字を使います.これらの文字を体系的に綺麗にまとめるのは非常に骨が折れるため,斬新なデザインが生まれにくい.
  2. 字形が複雑すぎる.
    ひらがなやカタカナはアルファベットと比較しても,それほど複雑ではありませんが,漢字がとにかく厄介です.漢字の字形はそもそも微妙なため(「日」と「曰」,「己」と「已」と「巳」など),大胆にデティールを変更したタイポグラフィを作りにくいです.
  3. アルファベットに憧れがある.
    日本人はアルファベットによるタイポグラフィのほうが,日本語文字(ひらがな,カタカナ,漢字など)によるタイポグラフィよりも格好いいと感じる傾向があるように思います.それ自体は悪いことじゃないし,僕もアルファベットは格好いいと思います.ただ,それによって「かっこつけるならアルファベット」が進んでしまっているように思います.

これらの問題のせいで,日本語タイポグラフィは少ないと思います.私はこれを,とても勿体無いと感じています.日本語の文字は格好いいです!これを解消したいという思いもあり,私は「すみながめ」チャンネルでは日本語タイポグラフィを意図的に多めに出しています.

今回は縦線と横線だけを使って「原宿」を描いてみました.漢字でタイポグラフィするとき,字形をいくらか単純化したほうが格好よくなるように私は思います.従来の字形を重んじるなら明朝体でもいいですしね.「原」も「宿」も数本の画を省略し,字形を単純化しました.

Inkscapeでこのタイポグラフィを作成する際に,鍵となる機能は「スナップ」です.私はInkscapeの初心者の頃,「スナップって何?」と思っていました(そもそもInkscapeにどんな機能があるのか分かっていませんでした).スナップとは,線や図形をピタッと思い通りの場所に数学的に正確に配置するための機能です.円を直線に接しさせたり,線と線を正確に繋げたりするときに主に使われます.詳しい使い方については動画を参照してください.かなり声を聞き取りづらいですが...

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