円と直線で蚊のイラスト #018

すみながめでは,これまでいろいろな種類の絵のチュートリアルを行ってきましたが,虫のイラストの作成方法を解説したことはありませんでした.蚊のシルエットのイラストを描きたい需要がどれほどあるものか分かりませんが,今回は少し変わったモチーフとして選んでみました.作成のためのテクニックに難しいものはなく,円ツールと直線を組み合わせてさくっと作成することができます.

ちょっとキモい…笑

今回のチュートリアルでは特別に難しいテクニックはありません.一方で,Inksacpeで作業をする上で,知っておくと少しだけ作業の効率化を図れるティップスがあります.ここではそのテクニックについて軽く紹介します.

こんなとき,どうする?

今回のチュートリアルの冒頭,蚊の頭を作成する場面でこのような図形を作成します.下の画像で選択されている次のような四角形を作成したい場面を考えます.

  1. 左辺と底辺がそれぞれ垂直・水平
  2. 残りの2辺が垂直・水平でない
蚊01
分かりますか?

しかも四角形のそれぞれのノードを,目的の場所にスナップさせるなどして,意図した通りの場所に配置しなければならないとしましょう.今回ならば,左上のノードと右下のノードの配置場所は決まっており,左下のノードは左辺と底辺が直角に交わる場所でないといけません.

蚊02.png
条件が複雑な状況

シンプルな描き方

そのようなとき,まずはベジェツールで始めます.上の画像のように,垂直にしたい辺 (今回は左辺) を垂直に書き,もう一方 (今回は底辺) を水平にするのを一旦諦めます.また左下のノードも仮の配置場所に置いておきます.その代わり,左上のノードと右下のノードを配置するべき場所に正しく配置します.

蚊03.png
切り抜いています

(↑今回のチュートリアルでは対象の四角形を円で切り抜く工程がありますが,これは必要に応じて.)

蚊04.png
揃える!

要点はここです.

  1. まず水平にしたい辺 (今回は底辺) を水平に.
    「整列と配置」機能を使用して左下のノードと右下のノードのY値を揃え,辺を水平にします.
  2. 次に底辺を構成する2つのノードを選択して,それらを一緒に移動.
    移動する先を自由に選ぶことができるので,意図した場所に正確に配置することができます (今回なら右下のノードを円の真下のノードに重ねられる).

まとめると…

つまり,描きたい図形に要求する条件が複数あるときは,一方の条件を満たした状態を作り,あとから他方の条件を実現させるように作図することで,要求する両方の条件を満たす図形を作図することができます.今回説明した例で言えば,以下の6点を満たす図形を作成することができました.

  1. 四角形を作図したい
  2. 左辺を垂直にしたい
  3. 底辺を水平にしたい
  4. 左上のノードを任意の場所に打ちたい
  5. 右下のノードを任意の場所に打ちたい
  6. 左下のノードを,条件2・3・4・5から必然的に導かれる場所に打ちたい

例えば同じことを矩形ツールを使用して実現しようとすると,別の工夫が必要になるでしょう.左下のノードを基準に矩形を作図するとして,左上と右下のノードを任意の場所に配置するには…などの工夫です.

Inkscapeを使用して同じ図形を作図する方法は1つではありません.作業手順を工夫することで,同じ成果を得るための作業量や時間を効率化することができます.すみながめでは積極的にこういった細々したティップスも紹介していきます.頭の片隅に入れておくことで作業を時短化し,本質であるデザインの洗練に頭を使えるようになるでしょう.

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