sin関数で巻き付くリボンのロゴ作成 #015

Inkscapeにはデザインの役に立つ機能がたくさんありますが,その中の1つが「関数のプロット」です.これを使用することで,予め作成された矩形の内側に関数のグラフを描画することができます.今回作成するようなリボンが棒に巻き付いた絵などは単純な正弦波で正確に書けますので,「関数のプロット」機能が役に立ちます.

不思議なアイコン

関数のプロット: 使い方

動画の中でも解説されていますが,「関数のプロット」の機能の基本的な操作方法について簡単に説明します.

1. あらかじめ、四角形(矩形)を描いておく。これが、描く線分の土台になる。また、この四角形の輪郭色と塗り潰し色が、描く線分にも反映される。

2. 描いた四角形を選択する

3. 「エフェクト」-「レンダリング」-「関数のプロット」

4. 「関数のプロット」ダイアログで、値を設定する

5. 「Apply」ボタンをクリック

Inkscape Function-Plot – catch.jp-wiki

パラメータ15個 一挙解説

上記4の各種設定値は15個と数が多く,それぞれの意味もそれほど単純ではないため使いこなすのは少し大変です.以下にそれぞれのパラメータの意味を簡単に記載します.この表はInkscape Function-Plot – catch.jp-wiki に一部追記して作成しました.

項目意味
始点のX値選択した四角形の左端が、数式のどの値に対応するか設定する
終点のX値選択した四角形の右端が、数式のどの値に対応するか設定する
X値の範囲に2πかける 三角関数を使う際に便利
矩形の下部のY値選択した四角形の下端が、数式のどの値に対応するか設定する
矩形の上部のY値選択した四角形の上端が、数式のどの値に対応するか設定する
サンプル数アンカーポイントの数(多いほどなめらかになるはず)
均等スケーリング「幅/X値範囲」または「高さ/Y値範囲」の小さい方の値で上下左右に伸ばす
極座標を使用する 
関数描く曲線を表す数式
1次導関数を数値計算で求めるその名の通り.オンにしたままでよい
1次導関数X軸の変化分を計算で求めるみたいな(初期値「x」のままでよい)
矩形をクリップする「矩形でクリップする」のほうが正しい.始めに書いた矩形の外側を描画させるかさせないか
矩形をを削除する 
軸を描画する 
X軸の終点を追加する 

これらを使いこなすのは簡単ではありません.基礎的な数学の知識があると少し抵抗感が減るかもしれません.しかし,使い続けていくうちにだんだんこの機能の勘所が掴めてくるでしょう.このチュートリアルを参考にいろいろ試してみると良いかもしれません.しかし,やはりデザインにおいて基礎的な数学知識・作図知識があるに越したことはないでしょう.

オマケ: 印刷したイメージ

実は… ひらがな「ま」

ちなみに,今回作成したデザインは平仮名の「ま」をイメージしたものとなっています.アルファベットをロゴ化したような例はいくらでもありますが,ひらがな・カタカナをロゴ化したような例は比較的に多くありません.

ひらがなモチーフの再生リスト

日本初の企業やサービスであっても,そのロゴはアルファベットをイメージしたものになることが多いです.今回の作品は,その現状の裏を掻くものとなっています!

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