今回のチュートリアルで作成されるハサミの取っ手部分は,均等な太さで書かれています.手法のものはたいへん単純ですが,ぜひとも軽視せずにチュートリアルを試して欲しい理由があります.その理由は,このチュートリアルに設定された裏テーマと関係があります.このチュートリアル動画の裏テーマ,それは「Inkscapeの機能を知り尽くすことは役に立つ」ということです.

均等な太さの図形を作成するために,始めにストロークで書いた後で,ストロークをパスに変換することで形状を手書きするよりも簡単に作成することができます.チュートリアルでは簡単な作成方法を活用して,ハサミの取っ手を作成しています.

一方で,今回の動画のような太さの一定な図形を作成するための方法は,チュートリアルで紹介した方法だけではありません.チュートリアルにしたがって作成する場合と,そうでない場合で,どれほど作業手数に違いがあるでしょうか?デザインの生産性を向上するためのヒントとして,その2通りの作業で手数を比べてみます.

比較画像

ストロークが便利01.png

チュートリアルでは,太さが一定の図形を作成するためにストロークをパスに変換するという方針を取りました.この方法は非常に単純で,チュートリアルで作ったようなハサミの取っ手のような図形なら4つのノードを配置するだけで作成することができます.

一方で,上の画像の右図はストロークをパスに変換した後の図形です.これをゼロから作成することを考えると,存在している16個のノードを適切に配置しなければいけないことが分かります.「太さが一定の図形」という条件をクリアしていることを担保するのも大変難しいでしょう.

同じものを,別の手段で

さて,「ストロークをパスにする方が簡単だなんて,言われなくても知ってるよ」という方もいると思います.Inkscapeを少し使い込めば大方の使い方について想像がつくようになり,自分の作りたい方法をさっと思いつくことが出来るようになります.

今回のチュートリアルの裏テーマは「Inkscapeの機能を知り尽くすことは役に立つ」ということでした.もしあなたが「こうした図形を作成したいなあ」とデザインのアイデアを思い付いた時に,それをInkscapeで書く方法は1通りではありません.今回のチュートリアルはその最も簡単な例の一つでした.

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同じものを実現するためにもいくつかの手段が存在していて,どれかが簡単でどれかが難しいというようなことは頻繁に起きます.そうしたとき,最も簡単な手段を選び取れれば嬉しいですが,自分が理解して把握している機能が少なければ,それを選び取れないかもしれません.

Inkscapeの機能を知り尽くしておけば,「このアイデアを実現するにはこの方法を使うのが一番簡単だな」と判断が付きます.こうした理由から,ごくごく簡単な今回のチュートリアルも,軽視せずぜひとも試してみて欲しいと思っているのです.

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