レトロな雰囲気のイラストは可愛らしい印象を与え,上手に作ることで見る人にとても洗練されたデザインセンスを感じさせることができます.デザインにおける色使いに関するティップスを#13の解説記事に書いています.今回は動画の中で触れられたInkscapeの基本機能「オブジェクトの拡大縮小」にまつわる4つの設定項目について解説します.

この記事で解説したい内容について,動画の0:48の辺りでさらっと言及しています.

ストロークを3.5pxにした状態で,オブジェクトとの拡大縮小時にストローク幅も同じ比率で拡大縮小というところのチェックを外しておきます.これをONにしておくと縮小したときにストロークの幅が変わってしまうので,チェックを無しにした状態で進めます.

 

このときにInkscapeの画面の右上辺りにあるスイッチを操作しています.ここに4つ並んだボタンはオブジェクトの拡大縮小に関係する4つの設定を変更するためのものです.

アイコンの場所.png

4つのボタンはアイコンでしか表示されていないため,普段はあまり目立っていないかもしれません.それぞれのボタンが制御する機能の意味はカーソルを重ねたときに表示されます.まとめると以下のとおりです.

アイコンの意味.png

それぞれ一つづず説明していきます.

アイコンの意味_01.png

オブジェクトの拡大縮小時にストローク幅の同じ比率で拡大縮小をONにすると,拡縮されたオブジェクトのストロークの幅が変化するようになります.

大きさを変えたときに相対的な線幅が維持されるので,その比が重要なときにONにします.反対に,線の幅の数値そのものに意味がある場合はOFFにします.

アイコンの意味_02.png

矩形の拡大縮小時に丸められた角の半径も拡大縮小をONにすると,矩形を拡縮したときに,設定された角丸の半径が同じ比率で拡縮されます.

相対的な角丸半径を維持したいときにONにし,角丸半径の数値その藻に意味がある場合はOFFにします.

アイコンの意味_03.png

オブジェクトの変形に従って (フィルまたはストロークの) グラデーションも変形は,上の2つに比べると分かりにくいかもしれません.これをONにすると,グラデーションを定義する直線 (上図では青線で示されています) がオブジェクトに固定され,OFFにするとグラデーションがキャンバスに固定されます.

上図は拡大したときの効果を示していますが,オブジェクトを変形する方法は上下左右の移動や反転を含めた様々です.そのそれぞれのケースでグラデーションがオブジェクトに追従するのか,キャンバスに固定されるのかを選択する機能です.

アイコンの意味_04.png

オブジェクトの変形に従って (フィルまたはストロークの) パターンも変形は,上と似た機能で,その意味では分かりづらさも似ています.ONに設定するとオブジェクトに設定されたパターンがオブジェクトに固定され,OFFにするとキャンバスに固定されます.

上図は赤い市松模様がパターンとして設定された正方形を拡大しています.ONのときにはパターンごと拡大されていて,OFFのときにはパターンが拡大されていません.


4つの機能をいっぺんにすべて記憶するのは難しいかもしれません.私のおすすめは,1つ目のオブジェクトの拡大縮小時にストローク幅の同じ比率で拡大縮小だけまずは覚えることです.これは応用の効く便利な設定項目だからです.その証拠に,すみながめの動画の中でも何度か使用されています.

このようなInkscapeの便利機能を理解することで,デザインの生産性を向上することができます.もちろん作業時間の短縮を期待することができますし,それによってより創造的な仕事をする時間を確保することができます.少しずつ身に着けいていきましょう.

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