前回 の解説でも述べたとおり,デザインを統一的で規則的なものにするために,グリッドやガイドなどの機能を使用することはとても役に立ちます.前回はグリッドのような基準線を自作しながら立方体を作成しましたが,今回はInkscapeの標準機能の1つである「グリッド」を使用して,規則的な形状のレトロ風ロゴの作成を解説します.

Inkscapeのグリッド機能とはその名の通り,デザインの参考とするための罫線を縦横に表示する機能です.この方眼紙のような線はInkscapeから出力されるSVG画像やPNG画像には反映されないため,純粋にデザイン作成時に使用することを想定された機能です.

グリッドにスナップ

グリッド機能をそのまま単体で使用するというよりも, チュートリアル #001で解説を行ったスナップ機能と合わせて使用するのが基本です.上掲の画像でもベジェツールの新しいノードを打つ候補点がグリッドの交差点にスナップしています.グリッドには「矩形グリッド」と「結晶軸グリッド」の2種類がありますが,上図は「矩形グリッド」を表示している図です.

「ファイル > ドキュメントのプロパティ」と進みグリッドタブを選択すると,グリッドに関する設定値を変更することができます.画面の上半分の「作成」部では,グリッドを新規に作成することができます.さらに画面の下半分の「定義されたグリッド」部では,作成されたグリッドに対してそれぞれ個別に幅や角度を保持させることができます.

矩形グリッド

下図は「結晶軸グリッド」を表示している図です.色を設定する箇所の直上の設定項目の内容が矩形グリッドと異なります.矩形グリッドの設定項目は「X方向の間隔」,「Y方向の間隔」であるのに対し,結晶軸グリッドの設定項目は「Y方向の間隔」に加え,「X軸の角度」,「Z軸の角度」となっています.

結晶軸グリッド

これらの設定項目の使い方は難しくありません.適当にいじればその意味が分かることでしょう.詳細な文章による説明が必要な場合は Inkscape@JP の解説を参考にすることをおすすめします.


印刷技術の未熟だった時代に作成されたポスターは雰囲気たっぷりです.スマートフォン上のデザインでは常識になりつつあるフラットデザインとの相性の良さと相まって,レトロポスター風デザインは広く受け入れられています.レトロデザインを自作する場合は使用されるカラーパレット,すなわち色使いがとても重要な要素です.今回は寒色系のカラーパレットによるレトロな雰囲気のロゴデザインを作成しました.

色

色選びの参考サイトとして,Cohesive Colors というウェブサービスを紹介します.これは,お好みのカラーパレットに対してある1色をオーバーレイさせることで,始めに選んだお好みのカラーパレットの色味を調整し,全体的な統一感のあるカラーパレットを自動で生成してくれるものです.

Cohesive

お好みで選んだカラーパレットの色のちぐはぐさが気になった時に使用してみると良いでしょう.

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