Inkscapeにはデザインを簡単にするための便利機能がたくさん組み込まれています.しかし,それらの機能は自分のものにするまでは複雑で難しく感じてしまうものです.今回はパスとシェイプの機能について説明し,Inkscapeの便利機能を見通し良く理解するためのヒントを説明します.

Inkscapeには「シェイプ」と呼ばれるツールがあります.シェイプには次の4種類があります.

  1. 矩形ツール

  2. 円/弧ツール

  3. 星形ツール

  4. らせんツール

動画を見ている人なら,すみながめのチュートリアルで矩形ツールと円/弧ツールが多用されていることをよく知っているかもしれません.これらは特定の図形を簡単に作成するために用意されています.

例えば,ペンツールで長方形を作図することは不可能ではありません.しかし下のGIFアニメが示しているように,ペンツールで綺麗な長方形を描くことは難しいです.一方でシェイプツールの一つである「矩形ツール」を使えば綺麗な長方形を一発で簡単に作図することができます.

ezgif-5-c89e729299.gif

このように,特定の図形を簡単に作成するためのツールが「シェイプツール」です.そしてこの機能は:

  • 矩形ツール: 長方形を作成する

  • 円/弧ツール: 円や弧 (または扇形) を作成する

  • 星形ツール: 多角形や星形 (鋭角と鈍角が交互に並ぶ多角形) を作成する

  • らせんツール: 螺旋を作成する

…の4種類が用意されています.


そして,今回のチュートリアルで強調したのは「シェイプツールで作成したオブジェクトのノードを編集するには,シェイプをパスに変換してからでないと行えない」という点です.動画内の4分47秒あたりの箇所で次のように説明しています.

一方で,こちらは円オブジェクトになっているので,このまま選択して (「選択した端点ノードを連結」を使って) 繋げても,繋ぐことができません.

この場合は,この円オブジェクトを選択して「パス > オブジェクトをパスへ」で,円オブジェクトを解除します.こうすると,Shiftを押しながら下のU字型の部分を選択して,この接続したノードを2つ選択して「(選択した端点ノードを) 連結」すると繋ぐことができます.

 

口頭での説明だと分かりにくい部分があるかもしれませんので,ここに補足説明を記載します.今回の場合は,円/弧ツールで作成された円/弧のシェイプのオブジェクトがあり,それをシェイプからパスに変換しています.

path_and_shape.png

シェイプ

シェイプには全体の形を制御するためのハンドルがあります.円/弧ツールで作成されたシェイプオブジェクトには4つのハンドルがあります.2つは円の潰れ具合をコントロールするためのもので,もう2つは円弧の端点を決めるためのものです (それらを重ねると切れ目のない円になり,重ねないと切れ目のある弧または扇形を作れます).

注意点は,このオブジェクトには「ノード」は無いということです.そのため動画で言われているように,このハンドルに別のパスのノードを重ねてもそれら同士を繋ぐことができません.

パス

一方で円シェイプを「パス > オブジェクトをパスへ」でシェイプを解除すると,同じ形をしたパスが作られます.動画の中では「オブジェクトを解除する」と言っていますが,用語としてより正確に言うならば「円シェイプを解除する」が相応しかったかもしれません.シェイプツールで作成されたオブジェクトを,パスツールで作成されたオブジェクトのように扱うために変換する作業がこれです.

「オブジェクトをパスへ」を行うことで,シェイプだったオブジェクトがパスになります.そうするとシェイプの構成していたハンドルは無くなり,代わりにノードが現れます.これは文字通り「ノード」であるため,別のパスのノードを重ねて「選択した端点ノードを連結」を使って2つのパスを繋げることができます.


今回の説明は少し回りくどいものになっています.分かっている人には当然に感じられ,仕組みをまだ理解していない人にとっては複雑すぎる説明になってしまっているかもしれません.もっと分かりやすい書き方が可能だと思いますが,いずれにせよこの記事で言いたいことは重要です.Inkscapeの便利機能を見通し良く理解するためのヒントが届けられていればと願っています.

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